第6回 POT税理士法人による税務コラム
POT税理士法人広報部です。
今回の成斗だより(令和2元年秋号)では、~不動産経営と相続税の関係~についてご紹介したいと思います。

収益物件を購入する理由は、「家賃収入を得ることができる」ですよね。
税務面でも不動産経営は、所得税・消費税・相続税などの税金に関係します。
今回は、その中でも『相続税』に関してご紹介したいと思います。
そもそも相続税の計算ってどうするの?
相続税は、プラスの財産(現金など)からマイナスの財産(借入金など)と控除額を引いた課税価格に税率をかけてします。
賃貸物件を購入するとなぜ相続税対策になるの?
賃貸物件を購入したから相続税対策になる訳ではなく、建物と土地を相続財産として評価するときに、現金で持っていた場合より低く評価される傾向にあることから相続税対策に使われるケースがあります。

なんだか難しいですね・・・
相続の際、土地や建物の相続税評価額が現金で持っていたときより低い場合は、即俗税が低くなると覚えておきましょう。
実際に賃貸物件を購入すると、どれほど相続税が変わるのか計算してみましょう↓↓↓
前提条件(各資産の相続税評価)
・自宅(5,500万円)・現金(1,500万円)・家族構成は、妻と子1人。
計算は割愛しますが、法定相続分で分けると、相続税は160万円になります。
ここに下記の条件で賃貸物件を購入した場合は、次のようになります。
【購入した賃貸物件】建物4,000万円、土地2,000万円、借入金6,000万円
その他、詳細な条件
【建物の固定資産税評価額:2,800万円】【土地の面積:200㎡】【路線価:10万円】
【土地の補正率は控除しない】【入居率:100%】【借地権割合:40%】【小規模宅地は考慮しない】
計算式
●固定資産税評価額×70%
2,800万円×70%=1,960万円(※1)
●平米×路線価×(1-40%×30%)
200×10万円×(1-40%×30%)=1,760万円(※2)

5,500万円(自宅)+1,500万円(現金)+3,720万円(※1+※2)-6.000万円(借入)
-4,200万円(控除)=520万円
520万円÷2×10%=26万円
相続税は、26万円という結果となり、不動産を購入しない場合と比べて134万円相続税が減少しました。
今回は、土地建物の相続税評価が購入金額より低くなったケースをご紹介しましたが、全てが同様の結果にはなりませんので、個別に具体的なご相談が必要な場合はご連絡下さい。

不動産投資は、比較的上記の例のようになるケースが多く見られるため、相続税対策で購入されることも少なくありません。
相続税対策のみを対象として不動産を購入される場合には、何点か注意をされた方がよいでしょう。
①購入時よりも低い価格でしか売却できない場合、借入の負担が一部残る
②現金化するのに時間がかかる
③現金と違い簡単に分けることが出来ない
④共有で持つことも出来るが、売却時は共有者すべての同意が必要 など
相続税が、軽減されることは相続人の負担を減らすことになるのでよいかもしれません。
ただ、その前に不動産投資を行うならば、物件の収益性(入居率など)や企業の信頼性を見る事が「あなた」と、想いが詰まった資産を「受け継ぐ方」にとって良いことではないでしょうか。